こんにちは!接骨院開業コンサルタントのウエダケンジです。
ブログの順番どおりに進めれば、接骨院の開業が準備できちゃうシリーズ。
前回【ホームページを使う】はこんなお話でした。
- インターネットを使った情報発信が接骨院業界ではイマイチ浸透していない。逆に考えると、ネットメディアを使える院は今めちゃくちゃ有利!
- ホームページはもうひとつの自院。スマホやパソコンで接骨院を探す患者さんには、ホームページ=その接骨院
- ホームページには<コーポレートサイト>と<ランディングページ>の2つがあり、それぞれ特徴が違う
- ホームページをGoogleの<ローカル検索>で上位に表示させる方法が<MEO>(マップエンジン最適化)
そして、コーポレートサイト、ランディングページ、MEO対策などを効率よく知りたい方は、ウエダのフェイスブック へ【ネット対策希望】と書いたメッセージを、でしたね。
さて、【接骨院開業準備シリーズ】、いよいよ今回が最終回です。
ラストは【プレオープンを過ごす】。
接骨院はプレオープンが必須
<プレオープン>、試験開業ですね。
プレオープン(pre-open)の”プレ”は、英語の「前もって」を意味する接頭辞、プレビュー(preview)などもそうです。
ちなみに、本開業は<グランドオープン>と言います。
さて、プレオープンは接骨院業界だけでなく、多くの業種で行われます。中でも飲食店など接客業では特に多い印象です。
ただし、飲食店その他では「プレオープンはなし」で、いきなりグランドオープンなケースもアリですが、接骨院には「プレオープンせざるを得ない」事情があったりします。
施術所開設届
接骨院の開業は、<施術所開設届><受領委任契約><共済連盟承諾番号取得><地方共済協議会承諾番号取得><防衛省番号取得><労災指定機関の申請>など多くの手続きがあります。
が、最も重要で、最もわかりにくく、また最も困難なのが施術所開設届。
構造設備基準と施術所開設届でも紹介しましたが、いったんおさらいします。
施術所開設届は、”開設後10日以内”に保健所へ提出しなければなりません。
つまり、すでに”開業した状態”で出すのです。
でも保険請求の申請は、届の提出後に行われる保健所の立会検査※に合格しなければできません。
※地域によっては検査しないところもあります。担当の保健所はどうなのか確認しましょう。
・・・「開業したのに保険診療ができない」わけです。
そこで、生まれたのが「接骨院のプレオープン」。
例えば、4月1日に開業した体で施術所開設届を提出しますが、エイプリルフールなのでウソが許されます、検査期間中は<内覧会>ということにします。
花輪なども届いて華やかな雰囲気ですが、診療はしません。
そして検査が無事済めば、グランドオープンとなります。
【ウエダポイント】プレオープン作戦
接骨院は、仕組み上、プレオープンにしなければならない面があります。
では、この期間をどう過ごしましょう?
【接骨院開業準備シリーズ】を振り返っても、ここまで先生が費やした多大な時間と労力の結晶ですね。
「今はちょっと骨休めを・・・」と思うのも無理ないでしょう。
でも待ってください。
プレオープン期間をどう過ごすかで、開業日の成否が大きく変わってきます。
つまり、今までの準備を活かすも殺すもこの期間の”過ごし方”次第。
では、どう過ごしたらいいのか?
ウエダはそれを【プレオープン作戦】と呼んでます。
【プレオープン作戦・院内編】オペレーションチェック
【プレオープン作戦】には、【院内編】と【院外編】があります。
まずは【院内編】から。
やっと揃った自院の内装・スタッフ・機器は、いわば<ハード>です。
ところで、スタッフの役割分担、機器の動作確認と取り扱い、そして動線などの<ソフト>=<オペレーション>はどうですか?
- ①予約→②受付→③問診・施術→④会計(経理・財務も含む)→①に戻る
オペレーションに不備があると、現在の接骨院で最も大切な<患者さんとの関係性>はつくれません。
なるべく本番に近い状態で、何度もチェックしてみましょう。
ただしポイントは、「うまくいくことの確認」じゃありません。
むしろ逆で、「うまくいかないことの発見」=「問題点の洗い出し」です。
オペレーションに改善点が見つかったら大いに喜びましょう!
そして、<事業計画書>から散々やってきた(はず!www)の<PDCAサイクル>を回してください。
- ①計画→②実行→③検証→④改善→①に戻る
【プレオープン作戦・院外編】集客アピール
2つめは【院外編】、<集客アピール>です。
内覧会、レセプションなど院内で行う集客法もありますが、それも外でのアピールありき。
開業日のカルテ数は、プレオープン中にどれだけ行動したかで決まります。
では、いろいろな集客アピールを【費用ナシ】と【費用アリ】に分けて、それぞれランキング別に見てみましょう。
【集客アピールランキング】費用ナシ編
第1位「健康教室→自治体」
- メリット
最も効果があります。
講座を開くと、初めから「教える側」×「教えてもらう側」なので、<患者さんとの関係性>をつくりやすくなります。
公民館や市区町村の役所に「自分ができる講座」のプレゼン資料を持っていきましょう。
行政は健康や高齢者にかかわる講座を意外に求めてます。 - デメリット
公的な場なので、いわゆる「営業姿勢」を前面に出すのは、基本NG。
自然な誘導が必要です。
誘導の仕方に不安のある先生は、ウエダへご相談ください。
第2位「ネットメディア→SNS」
- メリット
Facebook、Twitter、インスタなど、SNSは無料で多くの人にアピールできます。
数だけでなく、「腰痛がある」などピンポイントな相手への訴求も可能です。
ネットには距離がないので忘れがちですが、必ず「#地域名」を付けましょう。 - デメリット
SNSの使い方、コツをある程度はわかっていないと、トラブルになりがちです。
最悪”炎上”状態になってしまうことも。
第3位「挨拶回り→近隣住民さんへ」
- メリット
<1 to 1>で話せるので、実はとても効果があります。
「無料体験キャンペーン」など、お得な”お土産”があるとよりいいでしょう。
某グループ院のプレオープンキャンペーンで必ず使われる作戦です。 - デメリット
一軒一軒回るので、時間と体力、何よりも相当なメンタルが必要です。
第4位「挨拶回り→近隣店舗さんへ」
- メリット
「同じ商売仲間」と認められれば、何かと力を貸してくれます。
挨拶だけでなく、お店の利用もするといいでしょう。 - デメリット
商店街の決まりごとなどで制約を受ける場合があります
第5位「ポスティング→自作自投」
- メリット
チラシも手作り、ポスティングも自分でするので費用を抑えられます。
挨拶回りの”口実”にできますw
挨拶回りが苦手な先生もポスティングならやりやすいでしょう。 - デメリット
ポスティングの反応率は0.1~0.3%、相当な枚数を配る覚悟がいります。
ただし、チラシ禁止の家へ投函すると大きなクレームになる可能性があります。
【集客アピールランキング】費用アリ編
第1位「ネットメディア→コーポレートサイト、LP」
- メリット
アピールの量と質で圧倒的。
また<予約システム>など実務面でも”有能”です。 - デメリット
SNS以上に、使い方をわかっていないと対応できません。
【接骨院開業準備シリーズ9 ホームページを使う】で紹介したとおり、ネットでは、ユーザーの反応を”数値”で見られます。
数値によって加える変更や修正は専門分域、素人には難しいでしょう。
また、プロに頼むとなれば、その分の費用が発生します。
第2位「チラシ→折込広告」
- メリット
<ターゲット層>が中高年なら、新聞への折込広告がドンピシャです。
例えば「ゴルフ向けのメニュー」は<日本経済新聞>ですね。 - デメリット
折込広告の制作費、新聞への折込料など、すべてにプロがかかわり、当然費用が発生します。
第3位「ポスティング→他作他投」
- メリット
自身で作って、自身でポスティングするのと比べたら、大幅に時間と労力を節約できます。
その分空いたリソースを他の準備に振り分けられます。 - デメリット
折込広告と同じく、制作費、ポスティング代が発生します。
反応率が0.1~0.3%=「1万部配って15人が来院する」(10人から30人の間をとって)ぐらいなことを覚悟しておきましょう。
プレオープンの準備は、人手が多ければ多いほど有効です。
もしよろしければ、ウエダもお手伝いさせていただきますので、お声がけください!
「飛ぶときは高く飛べ」、本開業と同時にスタートダッシュを図りましょう。
【ごあいさつ】あるコンサルタントの想い
さて、シリーズ0から11回にわたってお送りしてきた【接骨院開業準備シリーズ】。
いろいろ偉そうなことを申し上げてきました!
これも、「椅子取りゲームのような現在の接骨院業界で、一人でも多くの先生に成功して欲しい」と想うあまり、と大目に見ていただければ幸いです。
今後も「開業を志す先生へ、できるだけ正確かつ有用な情報を紹介」できるよう、いろいろ企画中です。
よろしければ、引き続きお付き合いください。
ではまた!
上田健二
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FAX :042-306-2690
<参考元>
『TRANS.Biz「「pre」の意味とは?使い方や「pro・pur」とその他の接頭辞を紹介」』
『THE 起業&飲食経営「プレオープンの意味とは?現役オーナーが「失敗を避ける秘訣」を4つ解説します」』
『THE 起業&飲食経営「グランドオープンの意味とは?プレオープンやリニューアルオープンとの違いも解説します」』
『THE 起業&飲食経営「レセプションの意味とは?語源や、「パーティ」「受付」などの使い分けを分かりやすく解説」』
『クラフトバンク株式会社「整骨院の開業におけるポイントを紹介」』