こんにちは!接骨院開業コンサルタントのウエダケンジです。
ブログの順番どおりに進めれば、接骨院の開業が準備できちゃうシリーズ。
前回【内装を創る。(前編)】はこんなお話でした。
- 接骨院の開業準備で<内装>には大きなハードル、<構造設備基準>がある
- 構造設備基準の立会い検査で<改善指導>されると、工事はやり直し
- スムーズに合格するカンタンな方法は、「接骨院を熟知した施工業者を選ぶ」。業者はチェックポイントを参考に選ぶ
- 内装図面が出来上がったら、工事前に保健所へ行って確認してもらう
そして、業者さん選びに困った先生は、関東圏内ならウエダにご相談ください、でしたね。
今回は【内装を創る。(後編)】です。
【補足】居抜きのチェックポイント
いきなり補足です!
【前編】の【おまけ】物件にはスケルトンと居抜きがあるでザッと紹介した<居抜き>とは、前居住者が使っていた内装や備品などが残っている物件でした。
「飲食系」は避けたほうが無難だとお話しましたが、それ以外にもチェックポイントがあるのでまとめます。
- 電気・ガス・水道・排水に問題はないか
- 天井・壁・床の汚れや剥がれはないか
- (前テナントが飲食なら)配管内洗浄はされているか→管内画像を見せてもらう!
- 修繕箇所があった場合、費用は借主、貸主どちらの負担か
- 退去時に原状回復の義務はあるか
見落としがちなのが、「看板の設置規制」の確認です。どこへどんな看板をかけるのか?規制があるのかないのかも契約前に確認しておきましょう。
ちなみに工事をするなら、内装図面を保健所だけでなく貸主さんにも見せてください。
また、近隣の居住者さんに「期間とリスク(騒音など)」をよく説明したほうがいいでしょう。
例えば、同じ治療系のテナントさん(特にリラクゼーション系)などだと「騒音が大問題に発展」する可能性もあります。
内装はまずコンセプトに合わせる
では本題です!
【接骨院開業準備シリーズ7、8 内装を創る】は、本来【接骨院開業準備シリーズ2 開業場所を選ぶ】に続くお話です。
【開業場所を選ぶ】はこんな内容でした。
- 開業場所は<地域>と<物件>の2つから考える
- 地域は、自院の<事業コンセプト>=<ターゲット層>に合わせて選ぶ
- 地元限定など地域が変えられない場合は、地域性に事業コンセプトを合わせる
- 物件は、自院の<予算>に合わせる
開業地域は事業コンセプトに合わせ、物件は予算に合わせて決めますが、<内装>は、(構造設備基準に沿ってるのが前提で)<事業コンセプト>と<予算>の両方に合わせます。
ただし優先順位は、まず事業コンセプト、次に予算です。
【接骨院開業準備シリーズ1 コンセプトを決める】をおさらいしてみましょう。
- 事業コンセプト=「どういう接骨院」+「どのように経営」
「どういう接骨院」は、開業したい接骨院を”一言”で表したもの、<自院のテーマ>。
- 「外傷をメインに診たい」などですね。
「どのように経営」は、<テーマ>の実現手段を5つの”一言”で表したもの。
- 【市場・地域】=どういう接骨院をどの場所で開業するのか?
- 【ターゲット層】=どういう患者さんを治療していくのか?
- 【提供価値】=ターゲット層に、どういう治療を提供するのか?
- 【価値根拠】=3の治療をなぜ提供するのか?できるのか?
- 【提供方法】=3の治療をどういう形で提供するのか?
長々とおさらいしました!
事業コンセプト | 内装 |
---|---|
外傷をメインに診たい | 特に凝らなくてもOK |
患者単価1万円 | 高級感を演出 |
美容や健康促進 | ヨガやフィットネスのスタジオ風 |
めっちゃ大雑把な表ですがwww、それでも事業コンセプトと内装の関係は一目瞭然。
逆に、外傷メインなのに完全個室だったり、客単価1万円なのにベッドが狭苦しく並んでたら”チグハグ”ですよね。
内装では、患者さんにチグハグ感=違和感をもたれないようにするのがとても重要です。
【コロナ禍でも好調な接骨院の集客対策】でも紹介したとおり、現代の接骨院では「患者さんとの関係性づくり」が最重要事項!
ウエダが見ていても、最近開業する接骨院さんは、自院のコンセプトに内装をしっかり合わせてくる所が増えました。
また、その流れに刺激されたのかどうか、老舗や大手でもリニューアルが盛んに行われてます。
内装の重要性は今後も高まる一方でしょう。
とは言っても、予算に限りがあるのも現実。
限られた予算でコンセプトに合った内装を実現するには、専門家のノウハウが不可欠です。
【ウエダポイント】接骨院を熟知した施工業者を選ぶ PARTⅡ
そのキーマンは【前編】でも紹介した”接骨院を熟知した施工業者さん”(【ウエダポイント】接骨院を熟知した施工業者を選ぶ PARTⅠ)。
例えばカウンターをオーダーメイドではなく出来合いの製品にするなど、接骨院の内装施工で何をどう工夫すればいいのかよく知っています。
経営の根幹は「”理想”と”現実”のバランスをどうとるか?」。
経営者として、<損益分岐点>から出た予算は簡単には変えられません。
また、これも<自分のチーム>づくりの一環です。
言ってみれば、「専門家のノウハウに頼るノウハウ」w。
施工業者さんにはよく相談してみましょう。
この「ノウハウに頼るノウハウ」は次の<動線>にも活きてきます。
動線は施工業者と機器の代理店に相談する
<動線>とは、院内で先生、スタッフ、患者さんが移動する軌跡や経路のこと。
スイスイと動きやすければ「動線が良い」、逆は「動線が悪い」と言ったりします。
で、動線が良ければみんなハッピーなのですが、悪いとスタッフたちはドタバタし、患者さんはアッチコッチ動かされ(高齢者には転倒の危険性もあります)、見栄えだけでなく、<業務効率>や<安全性>という”実害”を被ります。
いくらコンセプトに合っていても、動線が悪ければ「患者さんとの関係性づくり」はうまくいきません。
言ってみれば、内装の「影の主役」です。
この動線、どの段階で良い悪いが決まるかと言うと、もう内装図面で大体決まってます。
物療(医療)機器の配置、ベッドとカーテンの間隔などもです。
そして、初めて開業する先生は動線を考えるのが苦手、つまり開業した後で(失敗した~)と思いがち。
実際、内装図面という二次元の世界で動線という三次元の動きをイメージするのは難しいですよね。
本来は<動線設計>と言い、専門家の仕事だったりします。
なのでウエダは、動線も施工業者さんなど、よく知っている人への相談をおすすめします!
とは言っても最終判断は先生がしなくてはなりません。
なので、今回は、「誰でもできる!動線のチェックポイント」を紹介します。
- 患者さんの移動経路が同一方向になっているか(行ったり来たりしない)
- 受付、機器、ベッドなどが先生(施術者)を中心になっているか
これだけです。
ただし機器は、コンセントの位置と数、それにコードが邪魔にならないかもチェックしてください。
コンセントは、後で増設するとけっこう費用がかかります。
ちなみに機器の<販売代理店>さんも接骨院の動線では相談できます。
もちろんウエダもご相談にのります(私の会社は各メーカーさんの<正規代理店>です)。
さて、次回の【接骨院開業準備シリーズ】は【ホームページを使う】。
ではまた!
【おまけ】開業準備は早めにスタート
さて、【前編】【後編】にわたって紹介してきました【内装を創る】。
これまでの開業準備の中で最も難しい段階で、実は、紹介しきれてない情報がまだまだあります。
最後に紹介したいのは、「内装を始めるタイミング」です。
結論から言います。内装は、「物件が決まったと同時にスタート」です。
まず施工業者さんとの打ち合わせから始まります。
とすると、「その前に施工業者が決まっている」必要があります。
また業者さんを決めていても、春先で忙しかったり、最近では新型コロナの影響で材料が入ってきづらい場合もあります。
内装に限らず、もし先生が開業時期を決めているなら、そこから逆算して可能な限り早めにスタートしてください。
時間に余裕があれば準備の質と量が上がります。
加えて、現在の接骨院を退職して準備に専念できる期間を最低1か月は確保しましょう。
事情はおありでしょうが、開業ギリギリまで働いていては、ちゃんとした準備ができません。
現在の接骨院業界は超競争社会、生き残れるのは準備に準備を重ねてきた人です。
開業間際まで辞めずにがんばった結果、準備不足で閉院していく先生は少なくありません・・・。
上田健二
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<参考元>