こんにちは!接骨院開業コンサルタントのウエダケンジです。
ブログの順番どおりに進めれば、接骨院の開業が準備できちゃうシリーズ。
前回【事業計画書を書いてみる】はこんなお話でした。
- <事業計画書>は「経営プランの文章化」したもの
- 「書いては直す」という<PDCAサイクル>が”検討”になる
- 事業計画書がないと金融機関から融資を受けられない
- 事業計画書は自分の言葉で書いたほうがいい
「まずはとにかく書いてみる」が一番大切!です。
くり返しになりますが、いまできる範囲で全然OK!ぜひトライしてみてください。
さて、今回はシリーズの実質的スタート【コンセプトを決める】です。
コンセプトは接骨院の骨格
このブログでいうコンセプトとはいわゆる<事業コンセプト>。
『中小企業基盤整備機構「J-Net21」』の説明を引用してみます。
事業コンセプトは、起業のアイデアをビジネスの構想として具体的に整理したものです。
「誰に」「何を」「どのように」といった視点でまとめることで、事業概要が端的に表現されます。
事業コンセプトは、アイデアをカタチにするときの骨格になる部分です。
事業計画書に記載した場合も、第三者がこの部分を読めば、どのような事業なのかがイメージできて、興味をもってもらえることが大切です。
事業コンセプトは、「どういう接骨院」を「どのように経営」したいのか=「自院の骨格」です。
事業コンセプトは2つに分けて考える
「どういう接骨院」と「どのように経営」は、それぞれ分けて考えましょう。
事業コンセプトを2つに分けるのは内容が異なるからです。
- 「どういう接骨院」=開業プラン
- 「どのように経営」=経営プラン
「どういう接骨院」:開業したい接骨院を”一言”で表したもの、<自院のテーマ>
- 「スポーツに特化した院を作りたい!」
- 「外傷をメインに診たい!」
- 「姿勢矯正や整体を売りにしたい!」
「どのように経営」:<テーマ>の実現手段を5つの”一言”で表したもの
- 【市場・地域】=どういう接骨院をどの場所で開業するのか?
- 【ターゲット層】=どういう患者さんを治療していくのか?
- 【提供価値】=ターゲット層に、どういう治療を提供するのか?
- 【価値根拠】=3の治療をなぜ提供するのか?できるのか?
- 【提供方法】=3の治療をどういう形で提供するのか?
5項目で実現性をセルフチェックできます。
事業コンセプトの実例
あるとき、一人の先生がウエダに言いました。
「地元に帰って開業しようと思うんです。ささやかながら地域の人たちに恩返ししようかと」
ウエダは、その場で下記のように事業コンセプトを書いてもらいました。たぶん5分ぐらいでしょう。
「どういう接骨院」
- 地元の〇〇町で地域の人たちを治療する接骨院
「どのように経営」
- 【市場・地域】=接骨院を〇〇町で
- 【ターゲット層】=産後間もない女性
- 【提供価値】=産後骨盤矯正
- 【価値根拠】=東京で10年間の施術実績がある
- 【提供方法】=丁寧なカウンセリングでその人に合った治療をする
「地元への恩返し」、そのは想いは大切です(先生のコンセプトに”熱い想い”があると、ウエダもスイッチが入ります)。
しかし問題点が見つかりました。
〇〇町の年齢別人口が典型的な少子高齢化だったのです。
【ターゲット層】=産後間もない女性があまりいません!
なので、
「地元が優先なら産後骨盤矯正を考え直す」
もしくは、
「産後骨盤矯正が優先なら地元以外で考え直す」
再検討したほうがいいのでは?とアドバイスさせていただきました。
つまり、「地域に合った経営プラン」にするのか?「経営プランに合った地域」にするのか?
事業コンセプトを「どういう接骨院」と「どのように経営」に分けると問題点がよくわかります。
もうひとつ重要なのは<文章化>。
コンセプトを文章に書いてみると、そのまま<事業計画書の骨格>になります。
【開業準備シリーズ0 事業計画書を書く】で初めて知ったときは(難しそう!できない!)と思いませんでしたか?
でも骨格は5分ぐらいでも書けます。後は、
- ①計画→②実行(書いてみる)→③検証→④改善(書き直す)→①に戻る
今回の実例でもわかったように、コンセプトと開業場所はセットで考えなければなりません。
実は、開業準備の中で「場所選び」が最初の大きなハードルです。
半数ちかくの先生がここで失敗します。
そこで次回の【開業準備シリーズ】は【開業場所を選ぶ】。
ではまた!