整骨院の開業は夢の実現である一方、多くの人が失敗に苦しんでいます。
競争の激化、資金不足、集客難といった課題を乗り越えるには、事前の準備と正確な戦略が不可欠です。
本記事では、整骨院開業の主な失敗原因とその対策、そして実際の失敗事例から学ぶポイントを解説します。
失敗を未然に防ぎ、安定経営を目指しましょう。
整骨院開業が失敗する主な理由とは
整骨院を開業する際、事前の計画と準備が甘いと、思いもよらぬ失敗に直結します。
特に多くの経営者が陥るのが、「立地・物件選び」と「ターゲット・顧客分析」の甘さです。
これらは経営の土台とも言える重要な要素であり、ここを誤ると、どれほど技術が高くても集客に結びつきません。
「せっかく開業したのに、思うように患者が来ない」「地域に必要とされていない気がする」などの声の多くは、根本的にこの段階でのミスが原因となっています。
ここでは、整骨院開業における失敗の主な理由を2つに分けて、詳しく解説します。
立地・物件選びの失敗が致命傷になる
整骨院の経営を左右する最大の要因の1つが「立地」です。実際、患者数が思うように伸びない整骨院の多くは、この立地選定のミスに根差しています。
例えば、人通りの少ないエリアや2階以上の空中階などは、コスト面では魅力的に感じるかもしれませんが、集客面では不利になります。
整骨院は「見つけてもらうこと」が来院の第一歩となるため、視認性の高い立地を選ぶことが重要です。
【立地失敗パターンの一例】
失敗内容 | 結果 |
空中階に開業 | 通行人から気づかれず、来院数が伸びない |
騒音や臭いの多い場所 | 環境が悪く、リピーターが定着しにくい |
競合店が密集する地域 | 差別化が難しく、価格競争に巻き込まれる |
また、駅から遠かったり、バス停が近くになかったりする場合、高齢者層など移動に不便を感じる層を逃してしまいます。
これは結果的に「立地が悪いために施術技術が評価されない」という、非常にもったいない状況を生みます。
さらに、物件契約前に確認を怠ることで、看板設置ができなかったり、内装工事が制限されるなど、営業に支障が出るケースもあります。
事前にオーナーとの取り決めや自治体のルールを確認することが必須です。
立地選びで迷った際は、以下のチェックポイントを参考にしましょう。
【立地選びのチェックポイント】
- 周辺の交通量・人通りの多さ
- 競合整骨院の数と内容
- スーパーや駅など集客施設の有無
- 視認性(看板設置可能か、道路から見えるか)
- 周辺住民の層(年齢・性別・通院傾向)
「安さ」よりも「認知されやすさ」を重視することが、整骨院開業成功の鍵になります。
ターゲット・顧客分析の不足
整骨院経営において、どのような患者層をターゲットにするかを定めずに開業してしまうことは、方向性を失ったまま走り出すのと同じです。
例えば、学生が多いエリアで「高齢者向けのリハビリ」を全面に押し出しても、当然ながら反応は鈍くなります。
逆に、年配の方が多い地域で「スポーツ整体専門」などを訴求しても、ニーズと合致しないため空振りになります。
整骨院は地域密着型のビジネスです。その地域に暮らす人々の年齢層や生活スタイル、働き方や通院頻度などを徹底的に分析することが、的確なサービス設計や販促に繋がります。
【顧客分析で見るべきポイント】
- 住民の年齢層(若者中心か高齢者中心か)
- 世帯構成(単身者が多いか、ファミリー層か)
- ライフスタイル(通勤時間帯、曜日ごとの動き)
- 競合整骨院の訴求内容と評価
- 人気の施術メニューや料金帯
これらをしっかり把握することで、「〇〇のような悩みを持つ人に、〇〇という施術で応える」といった明確な価値提供が可能になります。
さらに、開業後も継続して分析を行うことが重要です。
リピート率が落ちてきた、予約数に波がある、といった兆候は「ニーズとのズレ」が発生しているサインです。
そうした時には、匿名アンケートや口コミ評価を定期的に確認し、改善策を講じることがリピーター獲得の近道となります。
整骨院経営の成功は、「誰のために、何を、どのように提供するのか」が明確かどうかにかかっています。
整骨院開業でよくある4つの失敗事例
整骨院の開業は、多くの柔道整復師にとって夢の第一歩です。
しかし、現実には数年以内に廃業してしまうケースも少なくありません。
その理由は、「技術さえあれば大丈夫」と考えてしまい、経営や準備に関する視点が欠けていることが多いからです。
ここでは、数ある失敗事例の中でも、特に多いとされる「資金不足」と「集客の甘さ」に焦点をあてて解説します。
この2つは、整骨院経営の成否を左右する重要なポイントですので、ぜひ参考にしてください。
資金不足で運転資金が持たない
開業の準備では、多くの方が初期費用ばかりに目を向けがちです。
物件取得費、内装工事費、医療機器やベッドなどの備品費に加え、広告費や各種届出など、最初に必要となるお金は確かに多額です。
しかし、それだけで満足してはいけません。
整骨院の経営で本当に怖いのは、開業後の「毎月の固定費」です。
【整骨院開業後の主な固定費一覧】
項目 | 月額の目安(円) |
テナント賃料 | 150,000〜300,000 |
電気・水道・通信費 | 30,000〜50,000 |
人件費(1人分) | 200,000〜250,000 |
保険・各種リース契約費 | 20,000〜50,000 |
広告宣伝費 | 20,000〜100,000 |
このように、最低でも月に40万〜50万円の支出が発生します。
ところが、多くの開業者が「とりあえず開業後に何とかなるだろう」と安易に考え、4か月後には資金が尽きてしまうという状況に陥っています。
集客や経営の軌道に乗るまでには、一般的に6か月程度かかると言われています。
そのため、最低でも6か月分の運転資金(200万〜300万円)は事前に確保しておくことが必要です。
融資を受ける場合も、「初期費用+運転資金」の合計を計算し、余裕を持って借り入れる計画を立てることが大切です。
また、開業後すぐに利益が出ない期間に備えて、事前に「資金ショートした場合の対応策」も準備しておくことをおすすめします。
集客施策が甘く、お客が来ない
整骨院を開業しても、患者さんが来なければ売上はゼロです。
「開業すれば勝手に人が来る」と考えていた方が、思いのほか集客に苦戦してしまうというのは非常に多いパターンです。
これは、集客に対する「計画の甘さ」と「実行力の不足」が大きな原因です。
特に以下のような落とし穴に注意しましょう。
【集客でありがちな失敗パターン】
- 開業時にホームページを作ったまま放置
- チラシを1度配って反応が薄く諦める
- Googleビジネスプロフィールを未設定
- 競合との差別化ポイントが曖昧
- 患者の口コミや紹介施策を活用していない
これらはどれも「やっているようで、実は十分に実行できていない」ケースが多く見られます。
開業直後ほど、積極的な集客施策が必要です。
例えば、以下のような【具体的なアクション】を定期的に行うことが有効です。
【おすすめの集客アクション】
- 開業初月〜3か月目まで:週1回のチラシ配布+近隣訪問あいさつ
- Google口コミの獲得:来院後のフォローLINEで口コミ依頼
- 自院HPと連動したSNS運用:施術風景や患者の声を投稿
- 顧客リスト活用:2週間以上来院のない患者へDMや電話
集客は「やれば成果が出る」反面、「やらなければ即経営難に陥る」リスクを伴います。
特に競争の激しい都市部では、月に数万円〜十数万円の広告費を継続的にかける意識が必要です。
また、「施術者の顔が見える整骨院」は信頼感が増し、口コミや紹介にも繋がりやすくなります。
技術に自信がある方ほど、マーケティングにも力を入れることが、安定経営への近道です。
整骨院開業を成功に導く3つのポイント
整骨院を成功させるには、ただ技術力があるだけでは不十分です。
現代の整骨院業界は、競合がひしめき合う“飽和市場”となっており、他院との差別化や顧客視点での経営が求められています。
ここでは、数ある成功要因の中から、特に重要な3つのポイントをご紹介します。
中でも、「商圏調査と差別化戦略」「サービス業としての視点」は、開業前後に必ず押さえておくべき項目です。
商圏調査と差別化戦略で勝負する
整骨院経営の成否は、開業前の「情報収集力」に大きく左右されます。
とくに重要なのが、商圏調査の徹底と差別化ポイントの明確化です。
どんなに腕が良くても、その地域のニーズと合っていなければ、患者に選ばれることはありません。
【商圏調査でチェックすべき項目】
項目 | 確認ポイント |
周辺住民の属性 | 年齢層、家族構成、生活スタイル |
競合の状況 | 半径500m以内の整骨院数、施術メニュー、価格帯 |
通行量・動線 | 駅・バス停・学校・スーパーからのアクセス |
人口動態 | 昼と夜での人の流れ、住民の入れ替わり |
商圏の実態を正確に把握すれば、ターゲットに適した施術メニューやサービス内容を設計できます。
例えば、「オフィス街なら肩こり・腰痛特化型」「高齢者の多い地域なら訪問施術対応」など、商圏特性に合わせた打ち出し方が可能です。
また、差別化戦略としては以下のような観点で検討しましょう。
【整骨院で実践できる差別化例】
- 特定の症状に特化した施術(例:スポーツ障害専門)
- 自費診療メニューの明確化と回数券の活用
- 予約のしやすさ・待ち時間の短縮などの利便性
- 清潔感と居心地の良さにこだわった空間演出
- スタッフの接客品質の統一・向上
差別化とは「他院がやっていないことをする」だけでなく、「患者にとってわかりやすく伝えること」も含まれます。
チラシやHP、看板に“誰に、どんな悩みに、どう応えるか”を明記するだけでも、反応は大きく変わってきます。
戦略的な商圏調査と、確かな差別化があってこそ、開業後に継続して選ばれる整骨院を実現できるのです。
サービス業としての視点を持つ
整骨院は「治療を提供する場所」ですが、それと同時に“接客業”であることを忘れてはいけません。
多くの整骨院が技術力に自信を持ちながらも、サービス面での配慮が不足していることが原因でリピート率が伸び悩んでいます。
特に以下のような点が、患者の印象を大きく左右する重要な要素です。
【サービス業として整骨院が意識すべきポイント】
- 院内の清潔感(施術台・トイレ・待合室など)
- 接客態度(挨拶・話し方・笑顔)
- 患者対応の柔軟さ(要望の傾聴・説明の丁寧さ)
患者が整骨院に求めているのは、痛みの改善だけでなく、安心感・信頼感・通いやすさといった総合的な体験です。
例えば、以下のような細やかな気配りが「また来たい」と思わせるきっかけになります。
【患者満足度を高める具体例】
- 初診の患者に対して、施術内容の説明を図や模型を使って行う
- 冬場にはベッドを温めておく、夏場は冷たいおしぼりを用意する
- 定期的に院内アンケートを実施して改善点を探る
“選ばれる整骨院”には、技術だけでなく心配りがあるというのが、今や常識です。
そしてこれは、大手や資本力のある整骨院でなくても、すぐに実行できることばかりです。
小規模であっても、「また来たい」「誰かに紹介したい」と思わせる環境づくりは、今すぐにでも始められます。
サービス業としての姿勢を持ち続けることで、技術力がさらに活かされるという好循環を生むことができるのです。
まとめ
整骨院の開業を成功させるには、「失敗事例から学ぶこと」「商圏に合った戦略を立てること」「サービス業の視点を持つこと」が不可欠です。
そのうえで、集客や施術の効率を最大限に高める設備やツールの導入も、今の時代には大きな差を生むポイントとなっています。
とくに、最近注目されているのが次世代EMS機器「時短君」の活用です。
医療用EMSは、家庭用とは違い、高周波・高出力で深層筋にアプローチできる点が特長です。
そのため、運動が苦手な患者様でも無理なくインナーマッスルを鍛えられ、リハビリや姿勢改善にも高い効果が期待できます。
さらに「時短君」は、施術時間を短縮しながら結果を出せる省人化設計となっており、スタッフの負担軽減にも貢献します。
初月から売上アップに繋がった成功事例も多数あり、これから開業を目指す方や、既に経営している整骨院にも非常におすすめです。
【「時短君」が選ばれる3つの理由】
- わずか30分で深部筋に届くパワフルEMS性能
- 1人施術でも効率アップ!省人力化を実現
- 初月から月商+10万円超の成功事例が続出
「どのEMSを導入すべきかわからない」「集客や差別化に悩んでいる」という方は、実績豊富なプロに相談することが成功への近道です。
武蔵野メディカルシステムでは、これまで1,000件以上の整骨院を支援してきたノウハウを活かし、貴院に合った経営・機器導入のアドバイスを行っています。
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整骨院開業の成功は、「戦略×ツール×支援」の3つを揃えることが鍵です。
あなたの理想とする整骨院を、一緒にかたちにしていきましょう。