
接骨院を開業するとき、多くの方が最初に気にするのは「物件選び」や「内装のデザイン」です。
しかし実際には、それ以上に重要なのが建築基準法に基づく用途制限と保健所が定める構造設備基準です。
これらを正しく理解しないまま契約や工事を進めると、用途地域の制限により接骨院そのものが開業できないケースや、工事後に基準を満たしていないと指摘され追加費用が発生するケースが少なくありません。
この記事では、接骨院を始める方が押さえておくべき建築基準法の用途制限と構造設備基準について詳しく解説します。
さらに、柔整と鍼灸・マッサージの兼業に関する注意点や、開設届の提出方法といった実務的なポイントも紹介します。
最後まで読めば、開業準備で迷うことが減り、無駄なトラブルや費用を回避できるはずです。
接骨院と建築基準法の用途制限

接骨院は「医療施設」ではなく「サービス業」扱い
接骨院を開業するとき、多くの方が勘違いするのが用途上の分類です。
病院や診療所と同じ「医療施設」に含まれると思われがちですが、接骨院は柔道整復師法に基づく施術所であり、建築基準法上はサービス業に該当します。
つまり、接骨院は「病院」と同じ基準ではなく、理美容室やエステと近い位置づけで扱われます。
この違いを理解していないと、物件を探す段階で誤った判断をしてしまうことがあります。
具体的には、医療施設としての病院は「第2種中高層住居専用地域」などでは開業が制限されますが、接骨院はサービス業扱いのため比較的広い用途地域で開業が可能です。
ただし、サービス業としての規模や内容によっては地域の制限を受ける場合もあるため、事前確認が必須です。
このように、接骨院は医療行為を行わない施術所であることから、建築基準法上の取り扱いも異なるのです。
用途地域ごとの開業可能なエリアとは?
建築基準法では、都市計画区域内に用途地域が定められています。
接骨院を開業する際は、その地域がサービス業としての開業を認めているかどうかを確認する必要があります。
用途地域の例と接骨院の可否を表にまとめると以下のようになります。
用途地域 | 接骨院の開業可否 | 備考 |
第一種低層住居専用地域 | △ | 規模や兼用住宅の条件次第で可 |
第二種低層住居専用地域 | △ | 同上 |
第一種中高層住居専用地域 | ○ | 多くのケースで可能 |
第二種中高層住居専用地域 | ○ | 病院は不可だが接骨院は可 |
商業地域 | ◎ | 制限ほぼなし |
準工業・工業地域 | ○ | 騒音や立地条件に留意 |
このように、接骨院は住居専用地域でも一定条件下で開業できる場合があります。
ただし、自治体ごとに細かいルールが異なるため、必ず都市計画課や建築指導課に確認することが重要です。
接骨院に必要な構造設備基準

法令に基づく「省令」の具体的な要件(施術室・待合室・衛生面)
接骨院の内装工事に着手する前に、省令で定められた最低限の基準を理解しておく必要があります。
代表的な基準を整理すると以下のとおりです。
- 施術室の広さ:6.6㎡以上
- 待合室の広さ:3.3㎡以上
- 換気の確保:外気に面積の1/7以上を開放できるか、換気設備を設置
- 衛生面の確保:器具や手指の消毒設備、十分な照明や採光
これらは柔道整復師法施行規則やあはき法施行規則に基づき定められています。
たとえば、施術室が基準より狭い場合は、開業届そのものが受理されない可能性があります。
また、待合室や換気設備は「患者の安全性や快適性」を守る目的があり、単なる形式的な規制ではない点を理解することも大切です。
地域ごとに異なる「指導事項(基準)」の注意点
省令に加えて、各地域の保健所は**独自の運用基準(指導事項)**を設けています。
この部分が接骨院開業における大きな落とし穴です。
例えば、ある地域では施術室と待合室を完全に壁で仕切ることが求められたり、別の地域では施術室に専用の手洗い場が必須とされる場合もあります。
さらに、柔整と鍼灸を兼業する場合、固定壁で完全に区切った部屋が必要と指導されるケースもあります。
指導事項は以下のようにまとめられます。
- 施術室の区分方法:カーテンや簡易パーテーションでは不可の場合あり
- 手洗い場の設置場所:施術室内でなければ認められない地域もある
- 兼業時のルール:柔整と鍼灸を分ける必要があるかは保健所次第
このように、保健所担当者の判断が実務に大きく影響するため、工事前に平面図を持ち込み確認することが最も確実な方法です。
開業計画で押さえるべき実務ポイント

柔整・鍼灸・マッサージを兼業する場合の部屋区分
複数の資格を持つ施術者が増えている現在、兼業による施術所の運営は一般的です。
しかし、法的にはそれぞれの資格が別法令で定められているため、部屋区分のルールが厳格に存在します。
代表的な注意点は以下のとおりです。
- 施術者が1人の場合:1室で兼用が可能
- 施術者が2人以上の場合:柔整と鍼灸を別室にする必要あり
- 待合室の扱い:共有できる場合と分離を求められる場合がある
特に注意すべきは、途中から施術者を増やすケースです。
開業当初は1室で認められても、後から指摘を受けて高額な改装工事が必要になることがあります。
したがって、将来的な人員計画を見越した設計を最初から行うことが大切です。
保健所への事前相談と開設届の提出手順
接骨院を開設する際には、保健所への開設届を提出する必要があります。
提出期限は開設後10日以内とされていますが、実際には事前相談を行っておかないとトラブルになることが多いです。
開設届提出までの流れは以下のとおりです。
- 物件の選定と図面作成
- 保健所に図面を持参し事前相談
- 工事着工と基準に沿った内装工事
- 開設届の提出(開設後10日以内)
- 保健所による実地検査
ここで重要なのは、事前相談を怠ると改善指導が入り工事のやり直しになる可能性があるという点です。
また、建物の構造上どうしても基準を満たせない場合でも、相談しておけば柔軟な解釈をしてもらえるケースがあります。
開業を成功させるためには、早めの相談と計画的な手続きが欠かせません。
まとめ

接骨院を開業するには、建築基準法による用途制限と保健所が定める構造設備基準を正しく理解することが欠かせません。
物件探しの段階で用途地域を誤ると、そもそも接骨院として利用できないリスクがあり、さらに工事後に保健所の指導でやり直しを迫られると大きな出費と時間のロスにつながります。
そのため、開業準備では早めの事前相談と将来の経営計画を見越した設計が重要です。
また、柔整・鍼灸・マッサージを兼業する場合の部屋区分や、開設届の正しい手続きも見逃せないポイントです。
そして、安定した経営を続けるには、患者満足度の向上と施術の効率化を同時に実現する工夫も求められます。
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