
柔道整復師は国家資格を取得すると、接骨院や整骨院を開業できる大きな権利を手にします。
しかし、近年の制度改正によって、単に資格を持っているだけでは保険請求を伴う施術を行えなくなりました。
施術管理者として認められるには「実務経験」と「施術管理者研修」が必須条件になったのです。
特に重要なのは、実務経験の年数が段階的に引き上げられてきたことです。
2018年当初は1年間で良かった実務経験が、2025年以降は3年間必要となります。
さらに、実務経験を証明するためには「実務経験証明書」を正しく取得する必要があり、届出を怠ると経験そのものが無効になる恐れもあります。
この記事では、柔道整復師が施術管理者になるための要件、実務経験の内容や証明方法、注意すべき手続きを詳しく解説します。
これから開業を考えている柔道整復師の方はもちろん、今後施術管理者を目指す方にとっても必読の内容です。
施術管理者になるための要件

資格だけでは不十分!実務経験と研修が必要
柔道整復師は国家資格を取得すれば働けますが、施術管理者として保険を取り扱うためには追加の条件があります。
その条件が「実務経験」と「研修」です。
制度改正前は資格さえあれば施術管理者として届出ができました。
しかし、2018年の法改正により、柔道整復師の質を高め、療養費の適正請求を行うために要件が厳格化されました。
- 実務経験:一定期間の勤務実績
- 施術管理者研修:療養費請求や管理能力を養う研修
この二つをクリアしなければ、施術管理者として登録できません。
つまり、「資格取得」+「実務経験」+「研修修了」が三本柱となります。
施術管理者研修とは?目的・費用・受講条件
施術管理者研修は、公益財団法人柔道整復研修試験財団が実施する必須研修です。
目的は、適切な療養費請求と質の高い施術を提供できる施術管理者を育成することにあります。
研修の詳細は以下の通りです。
項目 | 内容 |
実施期間 | 連続2日間(合計16時間) |
費用 | 20,000円 |
会場 | 全国主要都市 |
対象者 | 柔道整復師免許を有する者 |
修了証の有効期限 | 5年間 |
この研修を受け、修了証を届出に添付することで施術管理者に登録できます。
ただし、有効期限があるため、更新時期を過ぎると再受講が必要です。
また、定員制で申込枠がすぐ埋まることもあるため、計画的な受講が欠かせません。
柔道整復師の実務経験の内容と証明方法

必要な実務経験期間(2025年以降は3年間)
実務経験の必要年数は段階的に延長されてきました。
- 2018年4月~2022年3月:1年間
- 2022年4月~2024年3月:2年間
- 2024年4月以降:3年間
このうち、最低1年間は施術所での勤務が必須です。
残りの期間は病院や整形外科クリニックでの勤務でも認められます。
例えば、次のような組み合わせも有効です。
- 接骨院1年+整形外科2年=3年間
- 接骨院3年間=3年間(最も確実)
ただし、介護施設やデイサービスでの勤務は対象外となるため注意が必要です。
実務経験が認められる職場と認められない職場
実務経験はどの職場でも認められるわけではありません。
認められる職場
- 接骨院・整骨院(受領委任を取り扱う施術所)
- 整形外科クリニックや病院
認められない職場
- デイサービス
- 介護施設
- 保険請求をしていない施術所
つまり、保険請求の実績がある場所で勤務することが重要です。
これを誤ると、3年勤務しても経験としてカウントされず、開業の夢が遠のいてしまいます。
実務経験証明書とは?取得方法と注意点
実務経験を証明するためには、実務経験期間証明書が必要です。
この証明書は勤務先の施術管理者や開設者が発行します。
証明書には以下の内容が記載されます。
- 柔道整復師の氏名
- 勤務期間
- 管理者の署名・押印
- 施術所の登録番号
証明書がないと実務経験は無効扱いになります。
そのため、雇用契約の段階で証明書を将来的に発行できる体制を整えておくことが重要です。
施術所が廃業・連絡不能な場合の代替証明書類
勤務先が廃業していたり、管理者と連絡が取れない場合でも救済措置があります。
給与明細や源泉徴収票など、公的な書類を代替として提出できるのです。
代替証明として有効なもの
- 離職票
- 源泉徴収票
- 給与明細
ただし、これは「正当に連絡が取れない場合」に限られます。
個人的に連絡を避けているだけでは認められません。
勤務中から証明書類や給与明細をしっかり保管しておくことが重要です。
届出・研修における注意点

雇用・退職時の届出を怠ると実務経験が無効に
実務経験を積んでも、雇用・退職の届出を怠れば経験が無効となる場合があります。
特に雇用時には、10日以内に保健所へ登録届出を行う必要があります。
退職時も同様に、速やかに手続きを済ませなければ勤務期間が正式に証明されません。
届出の遅れは「働いていたのに経験として認められない」という事態につながります。
施術管理者研修修了証の有効期限と再提出の注意点
施術管理者研修修了証の有効期限は5年間です。
有効期限が切れていると届出時に受理されないため、再受講が必要となります。
例えば、2019年に研修を修了した人は2024年で期限切れです。
2025年に開業する場合、再度研修を受け直さなければなりません。
開業・移転時に必要となる書類と提出先一覧
開業や移転を行う際には、次のような書類を提出します。
提出先 | 必要書類 |
保健所 | 施術所開設届出事項変更届、免許証コピー |
厚生局 | 実務経験証明書、施術管理者研修修了証、受領委任申出書 |
これらの届出は原則10日以内に行う必要があります。
提出が遅れた場合は、管轄に確認し、遡って登録できるかどうか相談する必要があります。
まとめ

柔道整復師が施術管理者になるためには、資格取得後の3年間の実務経験と施術管理者研修の修了が欠かせません。
これらの要件を満たさなければ、保険請求を伴う施術や開業に必要な届出が受理されないリスクがあります。
特に、雇用・退職時の届出漏れや、実務経験証明書の不備は大きなトラブルにつながるため、日常業務の中で正しい手続きを徹底することが重要です。
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